屋根の耐震リフォーム

自治体助成などの後押しもあり、耐震リフォームのニーズが高まっています。耐震リフォームといえば、壁の筋交いや柱の補強が中心になると思いがちですが、屋根も大いに関わりがあります。というのは、住まいは屋根の重さによって壁の量が決められているからです。同じ揺れの地震でも屋根が重いと大きく揺れ、倒壊する危険性が高まります。
また、壁の補強だけでは家全体のバランスがくずれ、かえって耐震性が低下してしまうので、屋根のリフォームも同時にご検討ください。

古い基準で建てた住宅は、壁の量が十分でなく、屋根の軽量化が必要な場合があります。室内リフォームをご検討の際は、耐震性をチェックのうえ、必要であれば屋根の葺き替えもご検討ください。
また、新しい基準の住宅でも、屋根を軽くすると、耐力壁の量が少なくでき、間取りの自由度が広がります。柱のない広いリビングなど、屋根リフォームで開放的な暮らしが実現できます。

雨漏り対策

雨漏りは屋根材の防水性に深く関わりがあります。瓦の吸水率は20%、化粧スレートは9%、トタンなら0%と、瓦は他の屋根材よりも雨水を多く吸収するので、雨水が溜まらないように、勾配を大きく設計しなければなりません。
雨漏りは、雨水が浸入した日から数ヶ月~数年経って初めて部屋の中に症状が表れるため、気づいたときには既に建物が傷んでいます。早め早めにチェックをしておくことが大切なので、一度ご自分で点検してみましょう。
外から見て瓦がゆがんでいたり、ズレていると、そこから雨水が入り雨漏りの原因になります。また、屋根の上に雑草や草花が生えていると、根から瓦の裏側に雨水が入り雨漏りすることもあります。
瓦の上に枯れ葉がたまっている場合も、雨水を引き込んで雨漏りの原因になるので注意しましょう。また、天井に点検口があれば、そこから屋根裏をのぞいてみましょう。屋根の下地・天井板などにシミがあれば雨漏りをしている証拠です。早めに対処をすれば被害も工事コストも最小限に抑えることができるので、ぜひチェックしてみてください。

遮熱・断熱リフォーム

トタン屋根の場合、屋根下地の上は薄いトタン1枚だけで、 裏打ち材や空気層もなく、直接熱が伝わります。トタンは、屋根材自体の断熱効果はあまりありません。金属系の屋根材やスレートなども断熱性は低いといえます。
一方、瓦は波形状なので、下地との間に空気の層ができるので高い断熱効果を発揮します。しかし、どの屋根材の場合も、より断熱効果を高めるために断熱材は不可欠です。

また、断熱性を高めるために、小屋裏換気を設置する方法もあります。小屋裏とは屋根と天井の間の空間のことです。屋根の棟の部分に換気口をつけると、屋根裏の通気を良くして結露を防ぎます。夏の暑さ対策にも大きな効果をもたらします。
化粧スレートなどを葺き替える際は、断熱性を考え、カバー工法(重ね葺き)をおすすめします。既存の屋根を撤去せず、上からかぶせるように新しい屋根材を葺けるので、既存の屋根と新しい屋根の間に"動かない空気"の層ができ断熱性が高まります。その他には、遮断熱塗料を塗装する方法もあります。

太陽光発電システム

太陽光発電システムは、自然のエネルギーを利用して発電するので、環境にやさしく、光熱費を大幅に節約できます。余った電気は電力会社に売電でき、より効果的に光熱費を節約することができます。イニシャルコストは高めですが、設置の際に補助金を利用できるので、導入しやすくなっています。
太陽光発電システムには、大きく分けて「屋根材一体型」と「屋根置き型」があります。屋根材一体型は、屋根と太陽電池パネルが一体になっているので、新築や屋根の葺き替え時にのみ設置が可能です。屋根置き型は葺き替え時でも、既存の屋根の上にでも設置することができます。
葺き替え時に置き型を選ばれる場合は、太陽光発電パネルが上に乗るため、できるだけ軽い屋根材を選ばれることをおすすめします。
既存の屋根に屋根置き型を設置する場合は、ついでに屋根の状態もチェックし、必要であれば補修しておくことをおすすめします。